大人が受ける心理検査3種類を紹介!心理検査で発達障害はわかる?

心理検査には、その人の性格を調べるものもあれば、知能を調べるものもあります。最近話題になることが多い発達障害が疑われる方にも、心理検査が実施されることがあります。自分自身について調べることは日常ではあまりありませんが、心理検査は自分の一部分が明らかになるというおもしろいものです!今回は大人が受ける心理検査を3種類紹介しますよ~

心理検査にはいろんな種類がある!

心理検査は、検査を受ける方のことをより詳しく理解するために実施されます。その実施法はさまざまで、アンケートを答えるように丸をつけていくだけですぐ終わるものもあれば、絵を描くものもあります。あるいは、2~3時間かかる検査もあります。たくさんあるのですべてはご紹介できませんが、測定内容別に、大人が受けるメジャーなものを見ていきましょう!

パーソナリティ検査

パーソナリティは、「性格」や「人格」と訳されることがありますね。パーソナリティを測定する心理検査は、その人の特徴を捉えるために実施されます。たとえば、

  • MMPI(ミネソタ多面人格目録)
  • 矢田部ーギルフォード性格検査(Y-G)
  • TEG(東大式エゴグラム)
  • バウムテスト

などの心理検査があります。上3つは、アンケートに答えるように丸をつけるなどして一人で回答していくもので、バウムテストのみ描画の検査です。

MMPIは、なんと550項目も質問があります…!回答するだけでかなり時間がかかります…そして疲れます…。質問項目として聞かれることもさまざまです。パーソナリティといっても、抑うつ的なのか、とか、内向的なタイプか、とか、そういったことが10個の尺度でわかります。

特徴的なのは、検査を受けている人の回答が歪曲されていないかどうかを発見するシステム(妥当性尺度)が設定されているので、内容を操作しようとしてもバレるかもしれません^^;

矢田部ーギルフォード性格検査では、抑うつ的か、活動性が高いか、内向的か外交的かといったことを検査します。特徴的なのは、結果が、5類型(A型・B型・C型・D型・E型)の性格傾向のプロフィールで示されるということです。

この5類型の内容について、詳しくはご説明できませんが、A型はこういうタイプ、と決まっています。なんだか、日本人の大好きな血液型占いのようです(-_-;)

TEGは、すぐに回答できる性格検査ですので、精神科では診察のときに使用されたり、わりと気軽に使われています。それだけ使用しやすい手軽さがあるのですね。こちらは、5つの自我状態(CP、NP、A、FC、AC)のそれぞれに対し、その人が心的エネルギーをどの程度どんな配分で使用しているのかという結果が、プロフィールになってわかります。

バウムテストは、1本の実のなる木を描いてもらう心理検査です。絵の上手下手は結果に関係ありません。思い思いのままに描いてもらいますので、皆さんの木はそれぞれ違っておもしろい検査です。

バウムテストは、アンケートのように点数で結果が出るわけではありませんので、結果を読み解くには熟練の技が必要ですが、こんな木の描き方はこんなタイプ、のように一般に言われていることはあります。

知能検査

知能検査、というと、IQテストのようなものです、とよく説明されます。ですので、結果としてIQが算出される心理検査が多いです。代表的なものに、

  • ビネー式知能検査
  • ウェクスラー式知能検査

の2種類があります。しかし、ビネー式知能検査は、子どもを対象として実施される知能検査ですので、今回は省略し、大人に実施されるウェクスラー式知能検査に焦点を絞りましょう。

ウェクスラー式知能検査は対象年齢によって、3種類に分けられます。

  • 幼児用:WPPSI(ウィプシー)
  • 児童用:WISC(ウィスク)
  • 大人用:WAIS(ウェイス)

の3種類です。大人用はWAISですね。時代に合わせて改定され、現在WAIS-Ⅳまで日本に存在していますが、最近出たばかりですので、今のところはWAIS-Ⅲがまだまだ一般的なようです。

知能、といっても難しいですから、検査を受ける人の「得意なことと苦手なこと」を明らかにする検査といえるでしょう。その人の能力の面を見ます。その能力にばらつき(凸凹、ともよく言います)があると、日常生活に支障が出ることがあるのですね。

そんなときには、どんなことが得意でどんなことが苦手かをはっきりさせることで、その人が生きやすくなるための方策がわかることも多いです。2~3時間かけて実施する検査ですので、その検査からわかる情報量もかなり多いです。

高齢者向け(認知症)の心理検査

高齢者向け心理検査、というのはつまり、認知症かどうかの情報を得るために実施する心理検査です。代表的なものに、

  • 長谷川式認知症スケール(HDS-R)
  • MMSE

が挙げられます。長谷川式認知症スケールは9項目、MMSEは11項目しかないので、どちらもあっという間に終えられます。少し認知症かもしれないな…という方をスクリーニングするにはとても手軽に使える心理検査です。

内容としては、検査を受ける方の年齢を尋ねたり、今日は何月何日ですか?と日時のことを尋ねたりします。長谷川式認知症スケールは、そのように言葉でのやりとりのみなのですが、MMSEでは、書いたりする動作を確かめる項目も含まれます。

いつか自分の祖父母や両親に、「今日って何日だっけ?何曜日だっけ?」と確認することで、認知症じゃないかどうか確認してみたいと、ずっと思っています…笑

心理検査で発達障害の診断はできる?

発達障害が疑われる人に実施される心理検査としては、先程ご説明した知能検査のWAISが挙げられますが、

  • WAIS-Ⅲによって発達障害かどうかの診断がつくわけではありません。

この点は重要です。心理検査を受ければ発達障害の診断がつくと思ってらっしゃる方がいますが、発達障害ははっきりと診断するのは非常に難しいのです。よって、知能検査を実施する場合があったとしても、その結果はあくまで診断の参考程度に使用されるだけなのです。その他の幼少期の情報や現在の困り具合などさまざまな情報を加味して最終的に判断されます。

知能検査であるWAIS-Ⅲ以外にも、発達障害が疑われる人に使われる心理検査はありますが、それらも同様で、あくまで参考程度です。血液検査のように、はっきりと結果がわかれば楽なのにな、とは思いますが、そうはいかないのですね…。

まとめ

大人が受ける心理検査として、

  • パーソナリティ検査
    MMPI(ミネソタ多面人格目録)/矢田部ーギルフォード性格検査(Y-G)/TEG(東大式エゴグラム)/バウムテスト など
  • 知能検査
    ビネー式知能検査 
    ウェクスラー式知能検査:大人にはWAIS-Ⅲ など
  • 高齢者向け(認知症)の検査
    長谷川式認知症スケール(HDS-R)/MMSE など

の3種類をご紹介しました。そして、

  • 発達障害が疑われる人に実施される知能検査は、診断の参考程度である

ということもご紹介しました。心理検査はたくさんありますが、それぞれ目的や内容が随分異なっています。心理検査を受けてみると、今まで知らなかった自分の一面が見える発見をすることもあれば、「やっぱりそうだよね…」と納得できることもあります。なかなかないかもしれませんが、心理検査を受けられる機会があれば受けてみるとおもしろいですよ~(^^)

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