なんとなく電車に乗るのが怖い…特に混んでいると乗れない、と思って悩んでいる人は意外と多いです。でも、通勤のために電車には乗らないといけないかもしれませんし、乗れないと何かと不便、と感じるでしょう。
そういった悩みを抱えている方はパニック障害(パニック症)という問題を抱えているかもしれません。電車に乗るにはどうしたらいいのか、今回はその対処法を4つご紹介します!それでは早速見ていきましょう♪
パニック障害とは
パニック障害は、現在はパニック症、という名称に変更となっていますが、「パニック障害」のほうが今はまだ知られていると思いますので、パニック障害として説明しますね。
パニック障害とは、
- 予期しない身体症状や認知的な症状によるパニック発作と、
- それに伴ってパニック発作に関する心配や発作を避けるような行動などが生じる疾患
のことです。パニック発作というのは、
- 動悸や心拍数増加
- 発汗
- 息苦しさ
- めまい・気が遠くなる感じ
- 寒気
- 死ぬことに対する恐怖
などが症状として知られています。なかでも、電車に乗ることが怖い、と感じるパニック障害は、パニック発作が起きているわけではないんだけれども、「電車の中で発作が起きたらどうしよう」という恐怖で乗れずに避けてしまう、ということがあります。でも、実際電車に乗れないと生活するには不便なことが多いですよね…。
電車に乗るための対処法4つ
どうしても電車に乗らないといけない、というパニック障害の方に対して、電車に乗るための対処法を4つご紹介します。ただし、これらはパニック障害の根本的な克服にはなりませんので、ご注意ください。克服のための方法は、これら対処法のあとにご紹介しますね!
乗る場所の工夫
電車内の乗る場所を工夫すれば、電車には乗りやすくなる場合があります。というのも、電車に乗るのが怖いと感じるのは、「パニック発作が起きたらすぐに電車をすぐに降りられない」というような強い恐怖と不安があるからなのです。ですから、
- ドアのそば
- 車掌室の近く
に乗れば、まだ電車は乗りやすくなりますよね。ドアのそばにいれば、ドアが開けば、人をかき分けて降りる必要もなくすぐに降りられますし、念の為、車掌室の近くの車両を選んで乗れば、仮にパニック発作が起きても助けを求めやすいという安心感を得られます。前もって対策をしていれば、まだ安心できますよね。
乗り方の工夫
乗り方も工夫ができます。たとえば、先程のようにいくらドアのそばに位置を確保して電車に乗ったとしても、ドアが開くまでの時間が長いとまた不安になるんですよね。次の停車駅までの時間が長くなると「発作が起きたらすぐに対応できない、電車を降りられない」という不安がどんどん大きくなります。なので、
- 快速や急行よりも各停
のほうが乗りやすい、というパニック障害の方がけっこう多いです。移動に時間がかかりますが、停車駅と停車駅の時間が短いほうが、安心できるということですね。もちろん、そこは適宜工夫をして、「この駅からこの駅は急行でもいいけど、ここからは混むから各停にしよう」、という感じで、生活にあまり支障が出ないような工夫が必要でしょう。
乗車中は気を紛らわす
電車に乗っていると、不安と恐怖で頭がいっぱいになって、そればかり考えてしまうと、さらに不安になって…という悪循環になり、事態は悪化してしまいます。しかし、電車でなにか別のものに集中していると、不安や恐怖に注意を向けることは少なくなるはずです。例えば、
- 誰かと一緒に乗っておしゃべりをする
- 読書や音楽を聴くことに集中する
- ガムを食べる
などです。気を紛らわしているにすぎないのですが、それでも電車には比較的乗りやすくなるでしょう。誰かと一緒に乗る場合は、乗車中ずっと話ができる人を選ばないといけませんが…(;^ω^)
助けを求める
パニック発作が起きたところを見られるのは恥ずかしいしみっともないと、パニック障害を持っている人の大半が感じると思いますが、そう思うと「発作が起きて見られたらどうしよう!」とさらに不安になりますよね。ですから
- 助けを求める
という行為は大事です。何も恥ずかしいことではありません。困っているのですから。正直に、助けてください、といえば、助けてくれる人はいると思いますよ。そして、助けてくれる人がいるんだ、とわかれば、電車に乗ることに対して、少し安心できるようになると思います。
根本的な解決のためには精神科や心療内科へ
なんとか不安や恐怖を抑えて対処法を使いながら電車に乗ったとしても、それはごまかしながら乗っているだけですので、根本的な治療、解決、にはなりません。やはり、パニック障害などの心の問題を扱っている精神科や心療内科に早めに相談に行くことをおすすめします。
病院に行けば薬を処方されると思いますが、パニック障害は、一生薬を飲み続けなければならないという病気ではありません!正しく治療を続ければ、薬は減らしていけます。また、薬の力に頼ることは決して恥ずかしいことでも悪いことでもありません!専門家に困っていることを相談してみましょう。
少しずつ慣れることで克服していく
パニック障害の根本的な解決のために、精神科や心療内科に相談に行くと、服薬するという薬物治療が選択される場合が多いですが、それと並行して、心理療法も効果的と言われています。そのうちの一つが暴露療法(エクスポージャー)です。これは、
- 不安なことに少しずつ慣らしていく練習
をします。例えば、電車に乗るのが怖い、ということであれば、まずは、電車に乗るにあたって不安が低いものから高いものまでリストにしていきます。例えば、各停で3駅乗る、各停で5駅乗る、急行で1駅乗る、音楽を聞かずに急行で1駅乗る…など、リストにして、不安が低いものから高いものへと順に挑戦していきます。
ハードルが低いものから高いものだと挑戦しやすいですよね(´∀`)がんばったらできそうなレベルから挑戦し、成功を積み重ねることでさらに挑戦しやすくなるという仕組みです。少しできると、どんどん挑戦したくなって、いつの間にか怖くなくなっていた、なんてこともあります。
治療は早ければ早いほうがいい
治療は早ければ早いほうがいいです。というのも、パニック障害になると、はじめは電車だけ乗れなかったのが、徐々に車も乗れなくなったり、そのうちエレベーターも乗れなくなったり、そもそも一人で外出が難しくなって、最終的には家で引きこもる…というように、不安を感じる場面が増えていき、どんどん生活しづらくなるのです。
これは、不安を感じないようにいろんなことを避ける(回避する)から、どんどん避けなければならなくなるのですね。避けている場面が増えてくると、やはり治療にも時間がかかります。そうなる前に、早めに専門家に相談に行きましょう。
まとめ
電車に乗るのが怖いパニック障害の人が、電車に乗るための対処法として、
- 乗る場所を、ドアのそばや車掌室の近くにする
- 快速や急行よりも各停に乗る
- 気を紛らわすことをする
- 助けを求める
の4つがありました。しかし、これらはパニック障害の根本的な解決にはなりませんので、
- 早めに精神科や心療内科に相談に行く
- 暴露療法などで少しずつ慣れる練習をする
ということが必要でした。いずれにしても、早めの解決が望ましいです。やはり生活で困ることが出てくると、大変ですからね。同じようなパニック障害で悩んでいる方は意外と多いので、恥ずかしく思わず相談してみましょう!