心理学に基づく動機づけ理論でやる気を出す!3種類の方法を紹介!

やる気出ないときってありますよね。どうしてもこの仕事、この勉強についてはモチベーションが上がらない、と感じるときはあるものです。心理学の分野では、動機づけ、つまりモチベーションについては、かなり研究されています。その結果、理論がたくさんあるのですが、今回は心理学の理論に基づいて、日常生活でやる気を出すときに役立つ3種類を紹介します。

この記事を読んだあとには、少しやる気が出る工夫を思いつくはずです…!早速見ていきましょう。

動機づけとは

動機づけとは、英語で言うと「モチベーション(motivation)」です。「人が行動を起こすことにつながる要因」のことを言います。一般的に言われる「モチベーションが高い」という表現は、何か行動しようとしてやる気がみなぎっている状態ですよね。

仕事にしても、学校の勉強にしても、この動機づけがあってはじめて前に進めることができます。しかし、この「モチベーションが高い状態」につながる要因、つまり動機づけには何があるのでしょうか。どんなことがきっかけで、人間はやる気を感じるのでしょうか。3種類を紹介します。

ハーズバーグの2要因理論

2要因理論とは

まずは、心理学者ハーズバーグが唱えた2要因理論です。この理論は、職務満足および職務不満足を引き起こす要因に関する理論です。仕事をしていく上での満足度は、何か特定の要因が満たされるのかどうかで決定されるのではなく、「満足度」に関わる要因(動機づけ要因)「不満足」に関わる要因(衛生要因)がそれぞれ別物で存在する、と考えます。

  • 動機づけ要因とは、
    達成、承認、仕事そのもの、責任、昇進など
  • 衛生要因とは、
    会社の政策・管理方式、監督、給与、対人関係、作業条件など

このような分類になります。動機づけ要因は、心理的に成長しようとする、”より人間的”な欲求で、満たされるとさらに高みを目指そうと動機づけられます。衛生要因は、満たされないと不満足になるものの、満たされても満足することはありません。つまり、衛生要因が満たされても、動機づけにはつながりません。満たされて当たり前、といったイメージですね。

私がこの理論を知ったとき、「給与」が衛生要因であることに驚いた経験があります。会社から給与をもらっても、それで満足することはなく、仕事への動機づけにはならないわけです。言ってみれば、給与をいくらもらっても仕事へのやる気は出ないわけです!逆に、給与があまりもらえないと、ただただ不満足を感じる、ということですね…悲しい現実です。

2要因理論でやる気を出すためには?

2要因理論に基づくと、やる気を出すためには、動機づけ要因のみを心配しておけばいいですね。つまり、

  • 動機づけ要因が満たされる
    →仕事の満足度が上がる
    →さらに成長しようと動機づけられる(やる気がでる!)

といった流れです。具体的には、仕事で大きなプロジェクトを達成したり、上司から普段の頑張りを褒めてもらって承認してもらったり、仕事そのものが楽しかったり、先輩になって責任感が出たり、マネジメント職に昇進したり、といったことが考えられるでしょう。

そのように、達成や承認をしてもらうためには、自分が成長できるような仕事に継続的に挑戦してみることが求められるでしょう。給与や人間関係がいくら良くても、いつかはモチベーションが下がるかもしれません。

マレーの内発的動機づけ・外発的動機づけ理論

内発的動機づけ・外発的動機づけとは

心理学者マレーは、動機づけに関わる要因を2種類に分けました。それは、

  • 内発的動機づけ
    自分自身の内側からなる動機づけ。
    自分が行動することで得られる快や満足(自己成長や自己実現)のために行動。
  • 外発的動機づけ
    自分自身の外側からの働きかけからなる動機づけ。
    外的報酬(給与、他者からの評価など)を得るために行動。

といった説明になります。例えば、お金がもらえるから、やれと言われたから、という理由で行動するのは外発的動機づけ、ですが、知的好奇心や自分の興味で行動する場合は内発的動機づけですね。

内発的動機づけでやる気を出すためには?

内発的動機づけと外発的動機づけを考えるうえで、一つ注意点があります。それは「アンダーマイニング効果」と呼ばれるものです。

  • アンダーマイニング効果とは、
    内発的動機づけで行動している人に対して、報酬を与えるなどして外発的動機づけを施すと、内発的動機づけが低下し、モチベーションが下がる

という現象です。具体例を用いて考えてみましょう。例えば、こんな具合です。

「絵が上手だからイラストを描いて」と知り合いに頼まれ、それに応じているうちに、噂が広まり、たくさんの人からイラストを頼まれ、嬉しいので応じていた(内発的動機づけ)
    ↓
そのうち、「これだけ報酬を支払うからイラストを描いて」と頼まれ、少し得した気分になった。(外発的動機づけ)
    ↓
そしていつの間にか、報酬がないとイラストを描くやる気がなくなった。(外発的動機づけによって、内発的動機づけが阻害された)

すなわち、せっかく内発的動機づけで行動していても、外発的動機づけに阻害される場合があります。自ら進んで楽しいことをしている、興味のあることをしているのであれば、それに対して報酬をもらわないことで、質の高いモチベーションを保つことができるでしょう。

自己決定理論

自己決定理論に基づいてやる気を出すためには?

自己決定理論とは、内発的動機づけを統合したような理論です。内発的動機づけの中身を捉えた理論、とも言えるでしょうか。自己決定理論では、人間の3つの基本欲求を唱えています。

  • 有能さ:自分の能力とそれを証明する欲求
  • 関係性:周囲との関係を持つ欲求
  • 自律性:自己の行動を自分で決める欲求

これらを高めることが、内発的動機づけにつながります。具体例を用いて考えましょう。例えば、勉強をするということに対して、自己決定理論に基づいて動機づけを高めることを考えます。

その場合、テストを受けて自分の成績をランキング表に載せたり(有能さ)、友だちと一緒に勉強して教え合ったり(関係性)、自分で勉強計画を立てたり(自律性)すると、モチベーションが上がるかもしれません。

結局、どれが使いやすい?

一番わかりやすく具体的なのは、自己決定理論だと思います。基本欲求として挙げられてる有能さ、関係性、自律性を満たすような取り組みをすることは、結果的に内発的動機づけを高めるでしょう。そして、報酬という外発的動機づけが邪魔してこなければ質の高いモチベーションを維持できると思います。

まとめ

心理学の理論に基づく、動機づけ理論を3種類を紹介してきました。その3種類とは、

  • ハーズバーグの2要因理論
  • マレーの内発的動機づけ・外発的動機づけ理論
  • 自己決定理論

の3つでしたね。2要因論には、

  • 動機づけ要因と衛生要因の2つがあり、
  • 動機づけ要因が満足度を上げ、動機づけを高める

ということがポイントでした。内発的動機づけ・外発的動機づけ理論においては、

  • 内発的動機づけ(自分の内側からなる動機づけ)でやる気が出るものの、
    外的な報酬が出てくる、つまり外発的動機づけが施されるとやる気が無くなる

という点が注意点でした。また、自己決定理論は、

  • 人間の3つの基本欲求(有能さ、関係性、自律性)を満たすと、
    内発的動機づけが高まる

というものでした。どれも難しそうに感じる名前の心理学の理論ですが、具体的に考えてみるとそれほど難しくありません。動機づけを高める、やる気を出すためには、基本欲求を満たすことができて、本当に自分が「やりたい!」と内側から思うことが必要だな…と思います(´∀`)

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