大学や大学院では、ゼミに所属し、ゼミの指導教員(教授や准教授)に指導いただきながら学位論文を提出し、卒業や修了することを目指します。
しかし、そもそもゼミはどのように選べばよいのでしょう?何かコツはあるのでしょうか?実際に私が大学院に入学したとき、そのような疑問を持っていて、あたふたしていました。
そこで今回は、私の体験をもとに、心理系ゼミの選び方のポイントをご紹介します。ポイントをしっかり押さえていきましょう!
ゼミの研究内容が自分の興味関心と合致するか?
教授の研究分野を綿密に調査
学生というものは、ゼミに所属し、ゼミの先生に研究を指導してもらうことによって、学位を取得するための論文が書けます。
ですから、自分が研究したい内容が決まっている場合は、その研究分野を研究している教授を探せば良い指導が得られます。私はこのパターンでしたので、あまり迷うことなくゼミは選べました。
一方で、あまり自分が何を研究したいかはっきりしていない場合は、とにかく教授の研究内容を調べてみて、興味を持った研究をしている教授のゼミへ入るのがベストです。
研究内容を調べる方法は、
- 大学ホームページやパンフレットの教授の紹介記事
- 教授が執筆した研究論文(google scholarやCiniiといった論文の検索エンジンを使い、教授の名前で検索すれば出てくるはずです)
- 教授本人に相談する(一番確実な方法)
最後の方法は、教授を訪ねて自分が興味関心のあることを話してみることです。そうすると、教授の研究内容だけでなく、人柄や大学生の指導に対する熱心さもわかり、安心です。
よくわからないままゼミを選んでしまうと、こんなはずじゃなかった!と後悔することもありえます。そうならないように、綿密に調査しておきましょう。
ゼミ生の研究内容を把握
教授によっては、教授自身の専門領域とは少し異なっても(あるいは全然異なっても)、論文を指導してくれます。卒業論文レベルだとうそうかもしれません。
ゼミで教授がどのような論文を指導してくれるのか、という点を調べるためには、
- これまでのゼミ生の研究内容を調べる
- 教授本人に相談する(ここでも一番確実な方法)
というような手段があります。
例えば、過去のゼミ生の研究内容を調べてみて、こどもの愛着の問題から大人の発達障害まで、なんでもありな研究がされていれば、その先生は大変懐が深く、ご自身の専門でなくても学生の興味関心を優先して根強く指導してくださる先生かもしれません。あるいは、あまり学生の指導に興味がないのかもしれません(これは困ります…)。
ゼミでどのような指導をしていただけるのかを把握するため、ゼミ生の研究内容を知っておくことは有効です。
教授はどんな人物か?
教授のゼミに対する考え方
指導教授によって、ゼミというものの捉え方はかなり異なります。
例えば、
- しっかり指導型
ゼミ生一人一人に気を配り、丁寧な指導を行う。学会誌への投稿や、学会発表を積極的に勧め、ゼミ生がより良い研究をできるようにという思いを持って接してくれるタイプ。指導は厳しいことも。 - ゆるゆる型
指導教授とゼミ生の距離が近く、ゼミの雰囲気が基本的にゆるい。ゼミ生の研究にそこまでこだわらず、卒業できればいいや、というレベルにまでは指導してくれる。学生の指導にはそれほど熱心ではない。 - わりと放置型
教授が多忙で、そもそもゼミの開催が少ない、あるいは不定期、のことがある。学生が自分からアピールしないと指導してもらえないので、学生のやる気次第で、論文の完成度は変わる。 - 学生を部下とみなす型
ゼミ生を自分の部下だと思って接しており、教授の仕事(大学での研究、大学以外の仕事)を休日だろうと深夜だろうと、有無を言わさず手伝わせる。貴重な経験として良い勉強になることも多いが、体調を壊す人も多い。
とりわけ、最後の「学生を部下とみなす型」は、昨今では「アカハラ(アカデミック・ハラスメント)」として問題となる場合もあります。どのゼミであっても教授のお手伝いをする機会はあると思いますが、限度というものがあります。ゼミを選ぶ前にあらかじめ、教授のゼミに対する考え方の情報は得ておくほうがよいです。
教授との相性
実は、教授との相性がゼミを選び方の中で重要です。
考えてみてください。卒業論文の場合、学部3年生からゼミに所属したとしたら卒業まで2年間、修士論文の場合も修士課程の2年間、論文の指導をしていただくときも、教授のお仕事を手伝うときも、その教授とずーーーっと一緒です!もしも、性格の合わない人だったら…と考えると恐ろしいですよね。
私がそのパターンでした(;´д`)トホホ…
自分が研究したい分野の第一線で活躍されている教授ですので、ゼミの選び方に迷いはありませんでした。が、いざゼミで指導を受けてみると、
- 人使いが荒い
- 他の学生(私の同期であっても…)のことを平気でけなす
- 何かミスをすると「常識がない」と冷たく突き放す…という方でした。
ストレスが溜まる一方で、一時は他のゼミに移ろうか考えた時期もありましたが、他に私の研究内容を指導していただけそうな先生もいらっしゃらなかったので、仕方なくそのまま2年間居座り、今に至ります。幸いなことに、指導は熱心にしていただけたので、学べたことは多いです。
これについても、ゼミを選ぶ前にまず、教授の人柄に関する情報を得ておく必要があります。そのためには、
- 教授本人と話してみる
短い時間だと見抜けない部分もあります。 - 一番有効なのは先輩から話を聞く
先輩は教授やゼミに関する情報(不満)をたくさん持っています。本音を聞き出しましょう。
研究者は変わった人が多いですよね。心理系の教授はさらに特徴的です。偏ったクセの強い人だからこそ、その偏りや自分の心に興味を持って研究するのかもしれません。(学生についても同じことが言えますが^^;)相性を考えてゼミを選びましょう。
情報が何より大事
これまでのお伝えしてきた中で共通することは、
- ゼミを選ぶ前にできるだけの情報量を得る!
ということです。それは、指導を受けたいと考えている教授本人からだけでなく、先輩方や現役のゼミ生などからも、多方面から情報を得ることで多角的にゼミを調べることができます。最後におすすめする情報収集の方法は、
- 話しやすい先生と仲良くなって相談してみる
という方法です。
その先生に指導していただきたいと思っていなくても、話しやすい雰囲気の先生ならば、学生の相談にも快く乗ってくださるのではないかと思います。すると、学生は知り得ない先生方のエピソードが聞けたりします。例えば、
- あの先生は昔はキツい性格で、あんなことをしていたが今は丸くなった
- 実はあの先生の指導方法は、過去に学内で少し問題になったことがあって…
というような裏情報をこっそり教えてくれるかもしれません!私の場合は、ゼミを選んだあとに聞いて、「もっと早くに知りたかった!」と思ったので、ぜひ早めに情報を仕入れてください。情報がすべてです。
まとめ
心理系ゼミの選び方のポイントは、
- 自分の興味関心とゼミの研究内容が合致するかを確認するため、教授とゼミ生の研究内容を把握する。
- 教授のゼミに対する考え方や教授との相性を押さえる。
- 大事なのは情報収集。できるだけ多方面から情報を得て多角的に判断する。
ということが重要でしたね。
ゼミの選び方を失敗すると、かなり後悔します。あとでゼミを変えるという方法もありますが、都合よく受け入れてくれる先生がいるかわかりませんし、いたとしても前のゼミの先生との関係は気まずくなります。事前にしっかり情報を得て精査し、納得のいくゼミを選びましょう!