全くの赤の他人である人と生活をともにするということは、経験してみないとわからない難しさがあります。しかし、結婚や夫婦になるということは、大きな幸せを得ることができる機会でもあります。
今回は心理学のエッセンスをもとに、幸せな結婚生活・夫婦関係を実現するためのポイントを7つお伝えします。それでは順に見ていきましょう!
エリスの7つのポイント
臨床心理学者のアルバート・エリスは、論理療法という心理療法の創始者として有名です。そのエリスが、『幸せなカップルになるために』というタイトルで本を執筆しています。その中で紹介されている7つのポイントを簡単にご紹介しながら、幸せな結婚生活、夫婦関係を実現するためのヒントを考えていきましょう。
1.相手をありのままに受け入れよう
相手は自分とは異なる別個の人間です。ですからもちろん、価値観も、考え方も、癖も、生活スタイルも、違って当然です。相手を自分好みに変えるなんてことは、想像以上に難しいことです。精神科医のエリック・バーンも、
- 「他人と過去は変えられないが、自分と未来は変えられる」
という名言を残しています。結局のところ、自由に変えられるのは自分だけですから、相手のことをありのままに受け入れることが、幸せな結婚生活への近道かもしれません。
2.感謝の気持ちを繰り返し伝えよう
日本では、「以心伝心」という四字熟語や、「空気を読む」という表現が、コミュニケーションを語る上でよく使われますね。つまり、言葉に発しなくても自分の思いや考えが相手に伝わる、という意味です。
しかし、それはいつでも可能ですか?実は、ありがとうと思っていることでも、「ま、いっか」とそのまま放置して伝えずにいる、ということはありませんか…?その気持ちは伝えなくても、相手は感じ取ってくれているのでしょうか?残念ながらそうとは限らないはずです。
- 感謝の気持ちを言葉にして繰り返し伝えること
- 相手の批判ばかりしないこと
を気にかけながら、より良い夫婦関係を築いていきましょう。
3.素直なコミュニケーションをとろう
なかなか素直なコミュニケーションを取ることは難しいですよね。相手に対して、実はムッとするようなことがあって嫌な思いをしているのに、なんとなくそのまま伝えずにただただ不機嫌な態度をとる、ということを繰り返していませんか?これは私の話です(´Д`)でも不機嫌になったところで、問題は解決しません。すれ違ってばかりですから、不機嫌になる代わりに、
- 「〇〇というところで嫌な思いをしたよ。次は△△してくれないかな」
と、相手に対して素直に気持ちを伝えてみてはどうでしょうか。そうすると、意外にも「そうだったのか、知らなかった!じゃあ次はこうしてみるよ」と相手も素直に応えてくれると思います。
4.お互いの立場や意見の違いを正直に認めよう
お互い別個の人間ですから、立場や意見が異なって当然です。でも、人間は不思議なことに自分とは違うもの、異質なものを受け入れるには相当苦労します。とはいえ、相手の主張をすべて受け入れるべき、と言っているのではありません。かといってやはり自分の主張を100%押し通すのでもありません。どちらも不幸ですよね。
お互いの違いを正直に認めるためには、現実的な落としどころ、妥協点を見つける努力をする必要があるでしょう。それにはやはり、3の”素直なコミュニケーション”が必要になってきます。
5.相手が目指している目標を応援しよう
相手が目指している目標に対して、「そんなことできっこない、不可能だ」とけなしてしまう関係性と、「それはいいね!頑張って」と応援する関係性であれば、どちらの夫婦関係がうまくいきそうですか?もちろん、後者ですよね。夫婦は一緒同じ夫婦ですから、支え合い助け合う、そういうものなのです。
6.相手にも間違える権利があることを認めよう
相手も人間ですから、間違うことはあります。私たち自身も間違うことがあります。でも、間違えたっていいんです。間違ったときこそ、夫婦関係の出番です。お互いがお互いをフォローする、そういう関係性のほうが幸せですよね。
「失敗できない、間違えられない」という環境は、かなりのプレッシャーになります。そういう関係ではなく、フォローし合える関係性を築いていけば、幸せな結婚生活となるでしょう。
7.実現不可能な夢を追わずに現実的な目標を持とう
結婚したてのころは、どうしても理想を描きがちです。理想の夫婦、理想の家族…誰しもがイメージしていると思いますが、現実はそう甘くはありません。お金のこと、お互いの家族のこと、身体のことなど、思い通りにいかないことは山ほどあります。現実的な目標を立てて、着実に少しずつ実行していくことが、心理学的には良い夫婦関係になりやすいと思います。
まとめ
幸せな結婚生活、夫婦関係を実現するための心理学のポイントは、
- 相手をありのままに受け入れよう
- 感謝の気持ちを繰り返し伝えよう
- 素直なコミュニケーションをとろう
- お互いの立場や意見の違いを正直に認めよう
- 相手が目指している目標を応援しよう
- 相手にも間違える権利があることを認めよう
- 実現不可能な夢を追わずに現実的な目標を持とう
の7つがありました。これらはすべて関連していると思います。素直なコミュニケーションを取るためには、相手をありのままに受け入れることも必要となってはずです。これらのほかにも、2人で大きな障害を乗り越える経験を一度すると、より一層絆が深まり、幸せな夫婦関係につながるでしょう。